おしりの日帰り手術.jP
医療法人社団LYC ららぽーと横浜クリニック監修
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あな痔の日帰り手術

根治性と機能性のバランスが重要!

現時点では、残念ながら手術をするほか、痔瘻を治す方法はありません。
痔瘻根治術によって管をなくしてしまうことが唯一かつ確実な治療です。
治療の最も重要なポイントは、1次口と呼ばれる肛門内のくぼみを的確に診断し治療することです。これがしっかり行えないと痔瘻が再発しやすくなってしまいます。ところが、1次口の部分の切開が大きすぎると肛門括約筋を深く傷つけてしまい、肛門の締まりがなくなってしまいます。つまり、1次口を処理すること(根治性)と肛門括約筋を損なわないこと(機能性)の両立が求められるのです。

以前は、痔瘻根治術によって括約筋が深く傷つけられたために肛門の締まりが悪くなってしまった例も見受けられましたが、現在では専門医を受診すればまず大丈夫です。また、再発率に関しては2~20%程度で、痔瘻の複雑さや深さ、術式によって差があります。最適な治療のためには専門医を受診するべきです。

多様な痔瘻根治手術

一言に「痔瘻根治術」と言いますが、多くの術式を含んでそう呼びます。
代表的な手術方法は、「瘻管切開開放術」 「括約筋温存術」 「セトン法(輪ゴム法)」 です。
また症例によっては、1次口閉鎖するだけでも痔瘻が治癒することもあり、まれに「1次口閉鎖術」が行われることもあります。

メリット デメリット
切開開放術
(単純痔瘻に用いられることが多い)
最も再発率が低い(1-2%)
背中側の浅い単純痔瘻によく用いられる
深部痔瘻や肛門前方(腹側)の痔瘻にこの方法を行うと、術後の肛門の変形が起こることがある
括約筋温存術
(複雑痔瘻に用いられることが多い)
術後の肛門機能に関しては最も安全で、肛門の変形の起こる可能性も低い 再発率が高い(15%)手術自体が高難度
セトン法
(複雑痔瘻に用いられることが多い)
術後の肛門機能に関しては優しい手術で、変形もほぼ起こらない
再発率も低い(3%程度)
輪ゴムが外れて治るまでに時間がかかることがある
しばらく輪ゴムをつけたままなので異物感がある

痔瘻の治療方針は、全国の肛門科を専門とする医師の間でも大きく異なっているのが現状です。
さらに、世界中の国々によっても治療方針が異なります。ほとんど全ての痔瘻をセトン法や括約筋温存術で治療する医師もいる一方で、大半の痔瘻に切開開放術を行う医師もいるわけです。
治療方針のガイドライン化を目指して、大腸肛門科専門の学会でも毎年のように議論が続けられていますが、結論には至っていません。

瘻管切開開放術

1次口から2次口までの瘻管を、完全に切開する方法です。
切開後の患部は平面になっており、肉芽が盛り上がっていくことで完治します。

瘻管切開開放術
瘻管を全長で切り開いたらトンネル型はなくなり、創部は平面になっている。

この「瘻管切開解開放術」は、再発率1~2%と、根治性が高いことが利点です。ところが、外肛門括約筋の深い部分を瘻管が貫いている場合には、切離する括約筋部分が大きくなってしまうのでこの方法は用いられません。30~40年以上前には、痔瘻と括約筋の関係がよく理解されずに手術が行われ、結果的に括約筋を大きく傷つけてしまい、肛門の締まりが悪くなることがありました。しかし現在では専門医を受診する限り、このような括約筋不全は起こりえません。

括約筋温存術

瘻管を切開せずにくり抜いて、さらに1次口を縫い合わせて閉じる方法です。 括約筋の損傷が理論上はゼロですので、術後の肛門機能だけを考えればベストな方法ですが、手術手技が高難度であることや再発率が15%程度と高いことが欠点です。

括約筋温存術
「くりぬき法(CoringOut)」とも呼ばれる。

セトン法:輪ゴム法

瘻管に輪ゴムや糸を通して、強く縛って圧迫し、瘻管を数週間かけてゆっくり切開していく方法です。

セトン法:輪ゴム法

時間をかけて括約筋を再生しながら切離していく方法ですので、肛門機能に関しては優しい方法と言えます。しかし、セトンを締め上げていく最中に軽い痛み・異物感があることもあります。

セトンによるトレナージ治療とは

肛門周囲膿瘍の切開排膿を行った際に、切開した2次口が早く治ってしまい、痔瘻の根治手術を行う前に再度膿が溜まって腫れ上がってしまうことがあります。これを予防する目的で、上図のように肛門周囲膿瘍の切開を行う際に、輪ゴムや糸を緩く通しておいて、後日に痔瘻根治手術を行う方法です。
痔瘻根治術の際に1次口と瘻管が確実に判別できるようになっていることが最大の利点で、手術が非常に確実容易であり、術後の出血や痛みも非常に少なく、優れた治療方法といえます。

1次口の閉鎖術

1次口を閉鎖するだけで、痔瘻が治ることがあります。
この方法は切開を全く行わないため、括約筋が傷つくことがなく肛門機能への影響はほぼ皆無です。簡単である一方、再発率は高いため、最初はこの手術を行い、痔瘻が再発してしまった場合にのみ各種痔瘻根治術を行うことも、選択肢のひとつでしょう。