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コンジローマの原因となるウィルスについて

2015/10/01

みなさん、『コンジローマ』という病気をご存知ですか?
これって痔なの?それとも腫瘍なの?とか思われる方もいるのではないでしょうか?

実際に肉眼で見た限りでは「イボ?」という感じでしょうか。
主に症状としては、うすいピンク色~褐色の2~3mmのポツっとしたイボ状の隆起ができます。
これが癒合して、カリフラワー状に巨大化する場合もあります。

好発部位は主に肛門周囲、肛門管~直腸に及ぶ場合があります。
また男性では陰茎や陰嚢部、女性では外陰部や膣、子宮頚部に多くみられます。
症状は、入浴時やトイレのときなど陰部に触れたときに「なんだこれ?」と、気づく場合や陰部の違和感などで気づく場合でがあります。他に自覚症状はほぼありません。なかにはかゆみ・痛み・出血などを伴うケースもあります。

この病気、正しくは「尖圭コンジローマ(せんけいコンジローマ)」といいます。
主な原因は「ヒトパピローマウィルス(HPV)」というDNAウィルスの感染が原因とされています。

《ヒトパピローマウィルス??》

HPVといえば、子宮頸がんのワクチンのCMでも名前が知られるようになりましたね。
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、分かっているだけで300以上のHPV遺伝子型(タイプ)がありますが、子宮頚がんに関連しているのは高リスク型で、ほんの数種類しかありません。仮に高リスク型HPVに感染しても全員が発癌(発がん)するのではなく免疫状態の低下や喫煙などの要因が引き金となってもたらされることがわかっています。

低リスク型HPVは今回のテーマの『尖圭コンジローマ』を作ります。
尖圭コンジローマに関連する低リスク型HPVは「6型」「11型」で、がんに進展することは比較的少ないとされています。

《メカニズム》

皮膚や粘膜の微小な傷からHPVが進入して感染します。DNAウィルスですので自分自身でどんどん仲間を増やせます。そのため、ひとつ出来てしまうと、自己複製を始めどんどん増殖します。
感染後平均2.8ヶ月(3週間~8ヶ月)で診察時に拝見してすぐわかるまでに増殖してしまいます。
まれに乳幼児が感染する場合があります。感染の原因は、免疫力が十分に確立していないため、入浴や接触感染、出産時の産道感染によるものとされています。

《診断》

感染範囲を特定するため、かなり注意深い観察が重要になります。見えにくい場所にイボが存在することもあるため、尿道口や肛囲に病変がある場合には、シストスコピー(膀胱鏡)やプロクトスコピー(直腸鏡)による観察も重要です。
視診で診断が難しく、鑑別が必要な病気が存在する場合は、組織を一部採取して、病理組織診断を行い、原因ウィルスの証明と遺伝子型の特定も行います。

《治療は?治るの?》

治療は外科的治療と薬物治療にわけられます。

*外科的治療
小さいものは局所麻酔でも切除は可能ですが、カリフラワー状になってしまうくらいの大きなものや小さくてもたくさんある場合には腰椎または仙骨麻酔を行ったうえで切除をおこないます。
ごくごく小さな段階では、電気メスでの焼灼や液体窒素による凍結法も行われる場合があります。

*薬物療法
主に抗がん剤入りの軟膏を塗布して、コンジローマ細胞を自壊させる治療ですが、効果は限定的です。

《コンジローマはしつこい??》

この病気は原因がウイルスであるために、再発の可能性がとても高いです。
患部の観察を十分に行い、再発の兆候があれば適宜処置を行います。治療が終了しても数ヶ月は経過観察が必要になります。尖圭コンジローマは、治ったように見えても、皮膚にウイルスが潜伏している限りは何度でも再発を繰り返す病気で、3ヶ月以内におよそ25%の人が再発します。根気強い通院治療が必要な病気ですね。

尖圭コンジローマは長期間に渡り放置されやすい病気です。
放置されてイボが多発拡大した人ほど再発する傾向が高いため、できる限り初期段階で治療を行うことが大切です。

★パートナーの治療も重要

好発場所が陰部に多くみられるため、性交渉の問題も切り離して考えることが難しいことも特徴のひとつです。
尖圭コンジローマを患った時、パートナーもHPVに感染している可能性が高いです。自分1人が治癒してもパートナーがHPVに感染していてはピンポン感染となり、いつまでも再発を繰り返すことになります。
パートナーも同時に治療することが非常に大切です。

いかがでしたか?
今回は「増殖」や「ウイルス」など、冷や汗がでそうな内容でしたね。
おしりにできものというと、恥ずかしいという気持ちから、なかなか受診しにくくなってしまいます。また、誰にも言えず一人で悩んでしまう事もあるのではないでしょうか…
でもコンジローマが拡大する前に受診することをお勧めします。気軽にご相談下さいね。

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