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医療法人社団LYC ららぽーと横浜クリニック監修
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肛門癌の診断と治療

2018/02/01

こんにちは、横浜市肛門科のららぽーと横浜クリニックです。
寒い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。さて、今回も前回に引き続き、肛門癌についての記事です。
今回は検査と診断方法、治療法などについて解説します。

肛門癌の検査と診断

肛門癌の診断にはいくつかの検査方法があります。

①肛門部の指診
まずは肛門の診察を行います。肛門管内の病変は、指診を行うと硬いしこりとして触れることができます。また肛門鏡を使用した診察では腫瘤や潰瘍をみることができます。②生検(組織検査)
肛門の診察で、肛門癌が疑われた場合は組織の一部を採取する検査(生検)を行い、顕微鏡的に組織を調べて診断を確定します。 肛門が高度に狭窄(きょうさくしていたり、強い痛みがある場合には、麻酔をして生検を行うこともあります。③画像検査
CT、MRI、肛門管超音波検査などの画像検査で、局所の病変の広がりや転移病変の有無を調べます④その他
「大腸内視鏡検査」や「便潜血検査」おこなわれることもあります。

では、こうした方法で肛門癌と診断された場合どのような治療が行われるのでしょうか…

肛門癌の治療方法

肛門癌と診断がされたら他の部位の癌と同じように治療が必要となります。
治療方法には大きく分けて3種類、放射線治療、外科手術、化学療法があります。

◆放射線治療

放射線治療は、『高エネルギーX線』などの放射線を使用し、癌細胞の死滅や、増殖の阻止をはかる治療法です。肛門癌の中で最も多い、扁平上皮癌の場合は、放射線を用いて治療することがほとんどです。

・外照射療法
体外に設置した装置を使用して、癌に放射線を照射します。・内照射療法
針やカテーテルの中に放射線物質を入れ、癌細胞の内部や、癌細胞の周辺に直に照射する方法です。
※放射線照射後は生検をおこない、癌細胞が消滅していれば、治療を完了します。癌細胞が残っていれば、ふたたび放射線治療をおこないます。

 

◆外科手術

摘出手術には入院が必要で、一般的に10日~2週間ほどで、下記のような手術方法があります。

・局所切除
肛門の腫瘍を、周囲の健常な組織の一部とともに切除します。癌が小さく、広範囲でない場合におこなう手術です。また、早期の場合には放射線療法もあわせておこなうこともあります。・腹会陰式切除術
腹部を切開して、肛門と直腸、S字結腸の一部を摘出します。さらに、癌のあるリンパ節の摘出もおこないます。・直腸切断術
肛門を切除して、人工肛門(ストーマ)に置き換える手術です。おもに、進行性の肛門癌の場合に適用されます。

 

◆化学療法

薬を使用しての治療です。薬により癌細胞を死滅させたり、細胞分裂を妨害したりして、癌の増殖をおさえる治療法です。

・経口投与、注射
経口投与や、静脈、筋肉への注射によって治療がおこなわれます。投与された薬は、血の流れにのって全身の癌細胞へと到達します。※化学療法の副作用
副作用としては、『口内炎』、『腹痛』、『下痢』、『脱毛』、『吐き気』、『食欲不振』、『全身倦怠感』などが挙げられます。

同じ肛門癌でも医師と病状によってこういった治療法の中から方針が決まっていきます。
最後に自分にできる肛門癌の予防方法をご紹介します。

肛門癌の予防法

・禁煙する!
喫煙しているようであれば禁煙しましょう。喫煙は、肛門癌に限らず癌になる可能性を高めてしまいます。・性感染症に注意する
『HIV』や『HPV』ウイルスも、肛門癌を引き起こすことがあります。感染には注意し、感染してしまった場合は早期治療を行いましょう。・痔の治療を行う
尖圭コンジローマや、痔瘻は放置せずしっかりと治療を行いましょう。こうした肛門の病気はずっと放置をしておくと癌になる可能性もあります。
コンジローマや痔瘻の詳しい内容は過去ブログで紹介しているので、合わせて読んでみて下さいね。
コンジローマの記事はコチラ 、痔瘻の記事はコチラ

 

まとめ

いかがでしたか?
肛門癌がどんな病気かお分かりいただけたでしょうか。大腸癌、胃癌は癌の中でもよく耳にしますが、肛門癌とはあまり耳にしない気がしますね。

肛門にイボがあったとしても、痔や湿疹だと思い放置してしまう方もいらっしゃいます。自己判断で市販薬を使用し治療していると気づかないうちに病気が進行してしまうことがあります。
排便時の出血、痛み、かゆみ、肛門周辺のしこり、膿や粘液の分泌、便通異常などの症状がある時は、自己判断をせずに肛門科または外科を早めに受診しましょう
肛門癌を早く発見するためには、年一回の便潜血検査や、専門医による直腸肛門指診、内視鏡などを定期的に行うことが大切です。早期に発見された場合は放射線治療や局所切除で完治可能です。放っておくと人工肛門にもなりかねませんので、注意してください
もちろん当院の肛門科でも診察可能ですので、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。