痔の日帰り手術ブログ

2012年1月25日 水曜日

痔核に対する結紮切除術とは

今回は痔核の手術の中でもメジャーな方法と言われている「結紮切除術」という手術についてご紹介したいと思います。
・・・皆様この術名を何と読むか分かりますか!?
これは「けっさつせつじょじゅつ」と読みます。少し難しい読み方ですよね。

昔、研修医だった友人が「けっさく」と読んで、ツッコミを入れられていました。
「ケッサクはお前じゃ!」と。


では、この結紮切除術とは一体どのような手術なのでしょうか?
「結紮切除術」とは、痔核を肛門の壁から切除し痔核の脱出症状を完全になくす手術のことをいいます。
痔核の根治手術というと通常ではこの手術方法のことを指すくらいに肛門科の手術のなかで最も多く行われている手術なのです。

この手術方法は、どんなタイプの痔核(内痔核・内外痔核・外痔核など)・どんな進行度(Ⅰ度からⅣ度と痔核の程度によって段階があります)であっても対処可能で、患者様への負担を最小限に抑えることができます。
また痔ろうや裂肛を合併している場合であっても対処可能で術後の排便機能を損ないにくい手術方法でもあります。


「結紮切除術」の利点を挙げると・・・
①肛門に対して縦の傷で治るため肛門が狭くならず、術後の排便時に困らない。
②手術の傷が最小限なので術後の痛みも少ない。
③手術時間が短い。

以上のようなことが挙げられます。


手術手順としては・・・
①まず肛門周囲のみにかかる仙骨麻酔、または腰から下にかかる低位腰椎麻酔をかけます。
②手術中はうつぶせになり下腹部に枕をいれてちょうどお尻が持ち上がるような体位になります。
③肛門を開大させ、内痔核を器具ではさみ、肛門上皮側からV時型に切開をいれます。
④痔核を粘膜とともに肛門の壁から剥離させて痔核の根元にある動脈をしばります(内痔核は肛門付近にある3本の動脈の近くにできます)。このことをを結紮するといいます。
(動脈を縛る糸は10日~14日で自然に吸収される特殊な糸を使用しますので、抜糸のために痛い思いをすることはありません。)
⑤痔核に流れる血液を止めて、肛門周囲の筋肉を傷つけることなく痔核部分だけを切除し、場合によっては一部縫合して手術終了です。

(参照)痔核(いぼ痔)の日帰り手術

術後は数時間で歩行可能で食事はその日から摂ることができ、入浴は術後2日目から可能です。

なかなかご自身の肛門を見ることは難しいですし、ましてや手術なんて...と思われる患者様はたくさんいらっしゃいます。手術で一体どんな事が行われているんだろうという患者様も多くいらっしゃいます。
これから手術を受けられる皆様、手術が必要と言われたけど決断に踏み切れないという皆様、ご参考になりましたでしょうか?

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2012年1月25日 水曜日

ホワイトヘッド肛門とは

突然ですが、これまでに痔の手術を受けられたことがある皆様に質問させていただきます。
十数年以上前に痔の手術を受けたことがあり、

●最近また肛門から何かが出てきた
●以前のような違和感・異物感がある
●なんだか下着が汚れるように思う
・・・・こんな症状に心あたりのある方はいませんか!?

ズバリ!それは、昔受けた手術の後遺症「ホワイトヘッド肛門」である可能性があります。


ホワイトヘッド肛門とは、昔行われていた痔核の手術(ホワイトヘッド氏手術)の後遺症のことをいいます。


当時は、現在標準となっている痔核の手術方式に比べると「大きくごっそり、徹底的に取る」ということが重視される時代でした。
ホワイトヘッド手術の手術方法としては、痔核を徹底的に(肛門の全周にわたって)切除した後に直腸粘膜を引っ張り下ろしてきて肛門上皮と縫い合わせます。
この手術は、術後に創部のひきつれがかなりあり、術後の強い痛みがあります。
この手術方法が元で「痔の手術はものすごく痛い!!」といわれるようになったとも言われています。
そして、ホワイトヘッド手術後はしばらく絶食の上、一か月程度の入院というのが当時の標準的治療でした。

・・・いやはや、当時は大変な思いをして痔の手術を受けていたのですね。


当時は「決して再発しない手術」と言われていたホワイトヘッド手術なのですが、
術後何年も経つと直腸の粘膜が下がってきて肛門から脱出することがあり、肛門近くの違和感・粘液で下着が汚れる・出血を繰り返すという症状が出てくるようになります。この状態のことを「ホワイトヘッド肛門」と呼びます。
ホワイトヘッド肛門になってしまったら、日常生活で不便さや不快感を伴うだけでなく肛門周囲には大腸菌がたくさん住んでいるため、肛門から脱出した直腸粘膜が万が一傷ついてしまうと傷口から大腸菌が進入し感染症を引き起こすきっかけになってしまいます。

現在では、「ホワイトヘッド手術」は悪名高くなってしまい、痔核の治療法としては完全に過去のものとなりましたが、ホワイトヘッド肛門になってしまって今もなお苦しんでいる患者さんは多くいらっしゃいます。

「もしかしたら当てはまるかもしれない」「症状がよく似ている」と気になっている方は早目の受診をおすすめいたします。おしりに関する悩みはなかなか相談しにくく、言いにくいし恥ずかしいと思う方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
このホワイトヘッド肛門に限らず、どんな些細なことでもご相談にのりますよ(^^)
気兼ねなくお越しくださいね。

(参照)ホワイトヘッド肛門とは

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2012年1月17日 火曜日

痔に効く驚きの民間療法!?

痔に効果があると言われている驚きの民間療法(絶句!)を紹介します。
私個人的には効きそうにない気がしますが・・・
それどころか、医学的には、かえって悪化させるものも含まれており、危険です!

では、伝承されている地域別に。
・岩手県:ヘビイチゴの実の汁を患部につける(しみて痛いような気がするのですが・・・)
・山形県:ナメクジをすり潰して患部につける(私個人的にはすり潰すこと自体、できません・・・)
・栃木県:ナメクジを胡麻油で揚げて患部につける(生をすり潰すよりは、できるかも・・・)
・山口県:カタツムリの殻をとり、すり潰し患部につける(だから、無理だってば・・・)
・長野県:猟師から買った熊の油を患部に塗る(はたして猟師が売っているのでしょうか・・・)
・富山県:ネギの白いところを蒸し焼きにして貼り付ける(首にも巻く地域があるようです・・・)

いやはや・・・まさか文献的に実証されているものがあるのでしょうか。
患者の皆さんが、誤った道へ入らぬよう願います。

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2012年1月17日 火曜日

肛門診察は専門家に限る

ひどい切れ痔の患者さんを診察しました。排便時と排便後にひどく痛み、出血もあるとのこと。
前医で診察を受けたときには、「切れ痔があるから軟膏で治しましょう」と言われたそうです。
そしてその患者さんは軟膏を使用しながら1週間我慢したのですが、痛み全然良くならず、私の診察を受けることになりました。

ところが、私が肛門指診すると・・・
(肛門科を受診すると、まず肛門に指を入れて診察するのです)
まず、人差し指が入りません!!
・・・というか、状況的には裂肛(切れ痔)で肛門が狭くなっていることが予測されるので、私の場合は、まず小指を優しくゆっくりと挿入して診察するのですが、小指でもやっと入るくらいの狭さ(&痛み)だったのです。

このレベルの裂肛(切れ痔)は軟膏の使用のみでは治らないのが普通です・・・・・・ところが、残念ながら一般病院では下剤+ステロイド含有軟膏で経過観察するしかないのが現状です。


切れ痔に対する治療は専門病院と一般病院で大きくレベルが異なります。
最初に書いた患者さんは、社会的事情もあり、準緊急的に裂肛(切れ痔)と肛門狭窄に対する根治手術を行うことになり、手術まではステロイド含有軟膏以外に、切れ痔に効果がある秘伝の?軟膏も使用する方針になりました。

肛門診察は専門家に限る!という一例でした。

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2012年1月17日 火曜日

肛門科へ行きづらい理由

おしりの症状があるのに、肛門科へ行きづらいという方がいます。
多くの外来初診患者さんに聞いたところ、約7割の方が「肛門科に来るのに抵抗があった」と答えています。

そして、その理由は・・・しっかり3ヶ月間の統計をとって、割合が高いものから並べてみました。
①(様々な意味で)恥ずかしい
②今までは、自然に治ってきた
③専門病院が近くになかった
④痛いかもしれない

他には、「どのみち他人に見せない部分だから」「手術がイヤだから」「肛門科はなんとなく暗いイメージ」・・・などもありました。
(診察する側の立場からすると、上記の理由は全て考え違いだと思うものなのですがねぇ)

さて、それでは患者さんはどのようにして「肛門科に来る抵抗」を乗り越えて来院されたのでしょうか。これについてもしっかり統計をとりました。
①友人の紹介や評判
知り合いで肛門科を受診した方がいれば、紹介の有無に関わらず来院しやすいようです。
②インターネット
病気や診察に関する情報がいきわたることで、安心感が生まれるようです。
「暗いイメージ」の払拭に役立つと言えるかも知れません。
③症状がひどくなってきた
痛くてどうしようもなくなってから来院された場合などです。


これらの結果からは、実は「抵抗感を乗り越えた理由」≒「この病院を選んだ理由」だというのがよくわかります。
医療者側は「肛門の悩みを相談しやすい環境をつくるべきだ」などと簡単に言いますが、

それは決して
「建物や内装をキレイにする」
「駅に近いところに病院を作る」
「診療時間を遅くまでにする」

という意味ではなく、

『ここなら(多少の恥ずかしさを我慢さえすれば)良い医療を受けられる』という信用を積み重ねることなのだとあらためて感じました。

投稿者 医療法人社団LYC ららぽーと横浜クリニック | 記事URL

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