痔の日帰り手術ブログ

2012年1月17日 火曜日

痔になる人の共通点とは

「痔」とは、いぼ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)、あな痔(痔ろう)の3種類を言い、肛門病の9割以上を占めています。

根治手術しても10年で再発する人(稀です!)もいれば、全く痔にならない人もいます。
痔になりやすい人、なりにくい人の違いは、一言で言えば「体質」ですが、実は生活習慣による部分が大きいとも言われています。

痔になる人の共通点は次の通りです。
・長時間座って仕事  
・立ち仕事
・妊娠・出産
・体を冷やしすぎ
・病気で長期に寝ている
・心臓・血管・肝臓・胃腸を患っている
・血圧が高い
・便秘(便秘気味)する
・絶えず下痢をする
・冷え性(腰や手足)
・排便時に強くいきむ(便意時に排便しない)
・刺激物の食事を好み、アルコールの摂り過ぎ
・偏食(野菜嫌い)
・不規則な生活をしている
・ストレスと疲れ
・抵抗力・免疫力が低下(睡眠不足、風邪や体調を崩している。)

 
これらに該当する人は痔になりやすいと言われています。

上記にほとんどあてはまらない私は痔で受診したことはありません。
・・・・専門家としてはNGでしょうか?

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2012年1月17日 火曜日

痔の重症例の手術はアート!?

先日、いつものように痔(内痔核)の手術を行いました。
教科書的には、痔核は3時、7時、11時の方向にできるとされています(肛門に向かって、時計のように腹側を0時、背側を6時として場所を示すのです)。

先日の症例では、手術前は肛門全体の突出はなかったのですが、麻酔をかけて肛門内を観察すると・・・
肛門内から腸の粘膜が大きく脱出してくるのです・・・しかも一箇所だけ大きく。
さらに、他の方向にもたっぷりと痔があります。
まあ、一言で言ってしまえば「重症例」です。

肛門科医が手術をするときは、痔を全部切除するわけではありません。
脱出しそうなもの、出血しそうなものを選んで切除するのです。
・・・その基準で選べば、今回は全方向の痔を切除することになってしまいます。
ところが、あまり多くの痔を大きく切除すると術後に肛門が狭くなるという合併症がおこります。

つまりこの症例のように重症のあまり、「痔を全部切除すること」と「術後の肛門機能が完全に保たれること」とがともすれば両立できない状況もありうるのです。
こんなとき、肛門科医はアーティストになります。どこの痔を、どの程度の大きさで、どの深さまで追いかけて切除するか、切除しない痔にも処置を加えておいたほうがよいのかどうか・・・まさにこれは、デザインの領域です。

デザインの領域に、革新派と保守派があるように、肛門科医にも切除が大きめ(根治性重視派)と切除が遠慮気味(肛門機能重視派)がいるような気がします。
(・・・あ、もちろん重症の症例以外ではこんなことは気にしなくても根治も肛門機能もしっかりできるのが普通ですよ。)


私は、どちらかといえば「肛門機能重視派」でしょうか。
患者さんにとっても、肛門が狭くなるくらいなら少しくらいの痔は我慢するよ、というのが普通ではないかと私は考えているからです。先日の症例でも、遠慮気味に切除して手術を終了しました(結果的には後日十分満足して頂きました)。

私は、小中学生の頃、美術の通知簿はいつも3でした。
アートのセンスには自信がないのですが、肛門の手術に関しては別だと思っています。

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2012年1月17日 火曜日

いぼ痔(痔核)の手術:結紮切除術とは(続編)

痔は、痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろう(あな痔)の3つに大別できます。
結紮切除術は、痔核の手術です。

前回に引き続き「結紮切除術」です。
他の特徴としては、以下の通りです。
・正しい層で切除すれば肛門の筋肉(肛門括約筋)を傷つけることはありません(術後に肛門が緩むことはありません)。
・肛門が狭くなることはほぼありません(正常な粘膜まで大きく切除すれば術後の肛門狭窄の原因となってしまいます)。
・重症の痔核の場合は、同時に複数切除可能です(一回の手術で根治)。
・吸収糸(溶ける糸)で縫います(抜糸の必要がありません)。
・縫い方は、半閉鎖法(半分だけ縫う)が一般的ですが、傷に加わる負担を見ながら完全に縫う場合や、逆に縫わない場合もあります(痛みが少ない所以です)。

麻酔方法としては腰椎麻酔や仙骨麻酔(下半身麻酔)が一般的です。
両麻酔とも、体は横にしていれば手術が終了し、痛みはありません。


手術による治療は、「しっかり治る」ことが、決定的に他の治療法と違って良い点です。
ところが、手術が必要な場面でも患者さんが躊躇される場面がよくあります・・・大概は痛みが心配のようです。

術後の痛みについては、前回も書いたとおり、専門の医師が執刀すれば、ほぼ心配のないレベルまで改善されております。敢えて言えば、排便時に強い力が加わることによる痛みや少量の出血があります。
しかし、これらには個人差があって、当院ではほとんどの患者さん(約90%)は「予想よりも痛くなかった」と答えています。

一般的傾向としては、術前の状態がかなりひどかった場合や、もとより便が固い患者さんなどの場合は、痛みがあるようです。
そこで、当院では排便のコントロールや入浴の指導をすることで、痛みを少しでも少なくするようにしています。

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2012年1月17日 火曜日

いぼ痔(痔核)の手術:結紮切除術とは

痔は、痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろう(あな痔)の3つに大別できます。
結紮切除術は、痔核に適応される手術です。
結紮切除術を簡単に説明すると、「痔核を切除して奥の部分を糸で縫う手術」となります。

痔核(いぼ痔)とは、直腸肛門部の血行が悪くなり血管の一部が膨れる病気です。
立ち姿勢や座りっぱなしの仕事などの生活により肛門部の血行障害が起こってできる痔で、内痔核(歯状線より上の部分)と外痔核(歯状線より下の皮膚部分)があります。
今回は多くの痔の患者さんが、苦しんでいる内痔核の手術の代表;結紮切除術の概要について書きます。

「結紮切除術」とは
痔核に繋がる動脈を縛って血流を止めて、痔核を含めて肛門の外側の皮膚までを放射状に切除します。
(この際には、剥離する深さが重要です。深すぎると肛門を締める筋肉を損傷してしまいます。)
小さな傷で痛みが少なく、短時間の手術で終わります(当院では痔核3つで通常約20分程度)。


最大の特徴は、痛みが少ないことです。
この手術では切除した部分を完全には縫合しません(完全に縫合すると術後の痛みがひどくなってしまいます)。一昔前は「痔の手術は痛い」と言われていましたが、この結紮切除術を正しく行うことで痛みについての心配はなくなりました。この「結紮切除術」は術後の再発率が1~2%程度で、他の外科的療法に比較して術後の経過が極めて良好です。
現在のところ、最も信頼のおける手術法で「根治手術」と呼ばれています。

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2012年1月17日 火曜日

肛門科の医師として

私の勤務する医療機関で、先日も初診の患者さんが私を指名して来院されました。初診なのに指名というのは、少し珍しいパターンです。その患者さんが私を指名した理由を聞いて、少しうれしくなりました。
「友人に紹介してもらったのですが、先生の肛門の診察は他の病院よりも痛くないそうなので」

・・・確かに私は肛門診察に関してはゆっくりです。
特に、指を肛門に入れる診察(肛門指診)や器械(肛門鏡)を肛門内に入れる診察では、「できるだけゆっくり優しく」を考えて診察してきました。

自分自身としては(心の中では)、「決定的に他の医師と違うでしょ!」って言いたくなる部分でした。
ところが、意外と患者さんからの反応は希薄で、肛門指診が優しいからという理由で通院されている患者さんの数は多くはなかったのです。(もとから肛門科はリピートする科目ではありませんよね)

今回、初診の紹介患者さんが来て、肛門科の医師として大切な部分を再認識すると同時に、患者さんからも我々医師はプラス思考にされることがあるのだと感じました。
医師と患者は、医療を「施す」「施される」という「対」の立場でなく、その医療行為によりともに喜びを得られる「パラレルに上向き」な関係でありたいと私は思っています。
その考えは医療分野に限らず、私がサービスを受ける側であっても、そうだと考えています。

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